・1990年代を通じたマグロの値下がりに大きな役割を果たしたと見られるのが、低価格をうたう回転寿司チェーンである。1958年に大阪に初登場したといわれる回転寿司。現在は全国に約4千店あると推定されている。草創期に当たる60年代、郊外などに出店範囲を拡大した80年代に続き、90年代後半からの低価格志向時代が第三次の回転寿司ブームと言われている。
・この第三次ブーム、一皿百円という分かりやすい価格体系が生み出したもの。大手のカッパ・クリエイトが97年に一皿百円の均一メニューを導入して以来、各社がワンコインの価格で追随。回転寿司のネタが百円というのは半ば常識となってしまった。
・アジ.サバなど寿司ネタには近海で獲れる鮮魚が多い。近海魚はその日その日の漁獲変動が大きいだけに、まとまった量を調達しにくく、回転寿司チェーンでも卸売市場の仲卸を通して買う。仲卸の企業規模は小さいため、大量仕入れを理由に値引きは応じないのが実情である。
・輸入業者からマグロを直接調達・・・・・回転寿司業界の激しい安値合戦の裏側を探ると、マグロ・マーケットのトレンドが見えてくる。最近の安値をリードしているのがキハダマグロ。これは、スーパーの店頭や回転寿司などで最も多く扱われているメバチマグロの輸入量が99年の大きく減ったことが影響している。世界的にマグロ漁獲高が落ち込んだことなどから、日本に輸入されたマグロ類の量は30万トンと前年比25%減った。この穴を埋めるべく、各商社や水産大手が調達したのがキハダマグロだった。当時は漁獲が多く、百グラム二百円とメバチの半額以下だったこともあり、全体の価格水準を大きく引き下げた。90年代末、東京の渋谷をはじめ回転寿司激戦区で数百席規模の大型店舗競争が勃発したのもこの頃。
・地中海産の半養殖マグロ!・・・・・高品質を訴えて固定客を着実に伸ばしているのが、地中海産養殖クロマグロである。蓄養マグロといっても「半養殖マグロ」回遊魚であるマグロが沿岸に近づいたところを網で囲い込み、そのまま浜の近くに持ってくるものだ。
・今では、蓄養マグロというと、地中海産というのが常識。価格は1キロ4千~5千円程度で、東京・築地市場などに出荷される国内漁業者が漁獲した本マグロに比べかなり割安感だ。水揚げされる本マグロは高値が一キロ1万円以上、安値が千円程度と極めてばらつきが多い。当然、脂の乗りなど品質面でも千差万別だ。この点、畜養マグロは囲い込んだどの魚もほぼ同じ品質に育て上げることができる。
品質に比べた割安感がある言えよう。
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